宇高グループ

研究概要

 地球上のほとんどの場所に生息する生きものは、環境の季節的な変化に生活史をあわせることができなければ、子孫を残すことができません。 この生活史を季節変化にあわせるしくみのひとつが光周性です。光周性は生物が日の長さに反応する性質の事で、動物だけでなく植物でもみられます。
 広く生物で光周性はみられますが、無脊椎動物における光周性の分子機構は多くの部分が未解明です。 また、変温動物である多くの無脊椎動物にとって、冬の寒さは生存や繁殖に関わる重要な環境要因のひとつです。 生きものの中には暖かい場所へ移動して冬を越すものもいますが、温帯に生息する無脊椎動物の多くは、冬を生きのびるために低温耐性を発達させてきました。 私たちは無脊椎動物の季節適応機構を解明するために、昆虫やナメクジを対象とし、特に光周性と低温耐性の分子機構に注目して研究を進めています。


 研究対象一例
  ノハラカオジロショウジョウバエ(左)、ホソヘリカメムシ(中)、チャコウラナメクジ(右)