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突然変異は老化や癌化の原因であると考えられている。突然変異はまずDNAに生じる前突然変異原性の損傷を起因として起こる。この損傷には、複製のエラーに伴う塩基のミスマッチや、細胞の通常の代謝で発生する活性酸素などによるDNAの化学的変化、様々な環境要因(放射線や化学物質)によって引き起こされる DNAの傷がある。細胞にはこれらのDNAの損傷を修復し、突然変異を抑制する機構が備わっている。
当研究室では:
- ミスマッチ修復酵素の同定、放射線や化学発癌剤などによるDNA損傷の同定と修復機構の解析など、突然変異の発生とその抑制の機構の解明を行っている。
- 動物細胞を用いて様々な修復酵素の欠損および高発現における細胞の放射線感受性を調べ、細胞の放射線応答における修復酵素の関わりについて研究する。
- 線虫やホヤにおいて、修復酵素の欠損によって個体発生や個体老化にどのような影響が現われるのかを研究している。
- 細胞内の活性酸素が増大して、酸化還元のバランスが崩れると、細胞は酸化ストレスに対して多くの防御システムを発現してその障害を最小限に抑制する機構があると考え、研究室ではこの酸化ストレスによる遺伝子発現の調節機構、誘導される遺伝子の機能解明についても研究を行っている。